パリ16区、パリの富豪や各国の外交官らが暮らす高級住宅街の一角に佇む貴族の館。コクトー、マン・レイ、ダリといったベル・エポックのパリを代表する画家や芸術家を招き夜な夜な趣向を凝らしたパーティーが繰り広げられたというマリー=ロール・ド・ノアイユ子爵夫人の邸宅です。2003年にバカラ本社がこの館に移転し、フィリップ・スタルクの内装によるギャラリー・ミュージアムとゴージャスなレストラン・クリスタルルームが併設されました。
エントランスを入り、キラキラと輝く縁取りがなされた赤絨毯を進みましょう。1855年に作られた800kgもの巨大シャンデリアにため息をつきつつ階段を上がると、左がギャラリー・ミュージアム、右がレストランになっています。
まずは、かつて盛大な舞踏会が開かれていたであろう“舞踏の間”からスタート。ヴェネツィア派の画家ティエポロの弟子フランチェスコ・ソリメーナによる天井画、ロココ調の壁にいくつもつり下げられたクリスタルのシャンデリアがまばゆいばかりのゴージャス空間。奥の壁に設えられたモニターではクリスタルグラスの製作行程を見る事ができます。続いてはギャラリー中央に位置する“大きさに魅せられて”の展示室へ。高さ3メートルもの「皇帝ニコライ2世の大燭台」の迫力は圧巻。

さらに“錬金術”と名付けられたサロンへ。クリスタルに欠かせない水、砂、空気、火の寓意画が描かれた天井と壁が幻想的なムードを醸し出す室内に置かれた2つのショーケース。照明に照らされて浮かび上がるのは繊細な彫刻が息を飲むほどに美しい一対のサイモン・ベース。製作に2年もかかったという職人の細やかな仕事に見入ってしまいます。
そして、最後の展示室“透明の向こうに”では、テーマごとに4つのショーケースが並び、バカラが世に送り出した芸術的な品々を見る事ができます。「華麗なる特注品」というケースには、王侯貴族やココ・シャネルの特注品と並んで日本の皇室からの注文品であった菊の御紋の入ったグラスなども。
最後に1階のブティックも忘れずにお立寄を。クリスタルの脚に支えられた13メートルの長テーブルに並ぶバカラ歴代のクリエーションは壮観。もちろん時間とお金に余裕があればぜひぜひレストランでランチ(予算は60ユーロ~)というのも素敵。子爵の邸宅であった頃の食堂を改装したモダン空間でラグジュアリーなひと時を満喫できるはず。
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