待ちに待ったバカンスシーズン。フランス人は6月になると心なしかそわそわしてきて落ち着かない。仕事をしていてもバカンス前に全て片付けようと、必死になって働きます。その働きぶりといったら、「いつもそうしてほしいよ、ほんとに!」と思わず愚痴が出てしまうほどです(笑)。そして一ヶ月後には真っ黒になって帰ってきて、職場で自慢話に花が咲いた後は、いつものペースに戻ってしまいます。
”フランス人はバカンスの為に働く”とよく言われていますが、つくづくその通りだなぁ…と思うこの季節。パリはいうに及ばず、国中がバカンスモードになってしまう不思議な国・フランス。なんといっても街の雰囲気ががらりと変わってしまうのは驚きです。パリ在住の日本人の目からみると7・8月は全く異質の世界、街中が一気に良きエポックに戻る…という感じでしょうか。36年前、私が始めてパリに来たのがバカンス真っ盛りのこの時期でした。猫の子一匹いない不思議な世界を目の当たりにして、まさに映画のセットのようだと思ったことを今でも覚えています。そんなパリに残されるのは、行き場を失った旅行者で、道を尋ねても相手が旅行者だった!なんてことは多々あるでしょう。
不景気もあってか、最近ではバカンスに出てゆく人たちの比率は落ちているみたいですが、年間5週間というとんでもなく長い休みをもらえるこの国の人たちからバカンスを奪ってしまったら……?そんなことはありえないんですが、どうなるんでしょうね?!想像もできません!

7月13日の夜に各地消防署(あるいはその付近)で行われるダンスパーティ(BAL POPULAIRE)はパリの名物のひとつです。見知らぬ人同士が仲良く野外でダンス。そこから数多くの恋物語が芽生えたに違いありません!そして次の日の7月14日は、俗に言うフランス革命記念日。この日の恒例行事、シャンゼリゼにおいての軍事パレードは新サルコジ大統領にとって最初の大行事。胸中の程、如何に?うれしいだろうなぁ…。とにかく男なら一度はやってみたいこのパレード。ちなみに一番人気は、いつも外人部隊の怖いおっさん達と最後に登場する消防隊たち。フランスでは、消防隊は一応軍隊に属しているので、最後を飾るというわけです。人の財産と命の為に、自分の命を掛けて火の玉となって戦ってくれるこの戦士達への感謝の念は、誰でも最大限に持っているようです。彼等が登場するとひと際大きな歓声が上がるのです。そうして日中の軍事パレードを見てから、エッフェル塔の近辺で催される夜の花火大会に繰り出し、翌日から一斉にバカンスへとパリから出てゆくのが、パリジャンたちの定番スケジュールになっています。

最後に、7月といえば見逃せないのはツール・ド・フランス。最終決勝戦のパリにおけるスプリントは見モノです!今年で94回目を迎えるこの自転車レースは、7月7日にロンドンを出発して7月29日にパリ入り。史上最大に過酷なレースと呼ばれるツール・ド・フランスの生き残り部隊は、3,550kmを走破して凱旋門前で華々しくゴールします。
一度この後ツール・ド・フランス終了後のパリに来てみてください。本当に、静かですよ。(発行人/7月) |