リトアニア出身の写真家イジスの回顧展が、パリ市庁舎(Hôtel de ville)で開かれています。
まだ19歳の若さで祖国リトアニアを後にし、画家になることを夢見てパリにやってきた彼は、1933年、13区にあるフォトスタジオで働くようになります。
戦後、詩人ジャック・プレヴェールを始め多くの画家や詩人と親交を深め、その後、雑誌“パリマッチ”での活躍で注目を集めるように。当時、グレース・ケリー、ジャン・コクトー、エディット・ピアフ、オーソン・ウエルズといったセレブのポートレイトも多く撮影しました。
今回公開されている写真は、戦争からの再生や冷戦といった困難な時代に撮影されたもの。そこにはイジスと同世代のフォトグラファー達が撮った世界とは全く異なる視点が見られます。ロベール・ドアノーのユーモアでもなく、ブラッサイが撮ったようなパリのスラム街でもなく、アンリ・カルティエ・ブレッソンの知性でもなく、エドワール・ブーバの象徴主義でもない。どこか不安定な要素を含んだ独自の視点が見る人を引きつけるのです。

「なぜパリかって? パリという街はぼくをかき立てるんだ。そして僕にとってパリは光に満ちた街なんだ。1930年にロンドン、ニューヨーク、ベルリンに行ったが魅力を感じなかった。フランスはエスプリの国であり、自由、平等、文化の国、そしてそれらがぼくたちに夢を見させていたんだよ」若くして祖国の混乱を逃れ、パリに夢を見いだしたイジス。果たして彼の見た夢とは。ぜひ会場で確かめてみてください。
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