1940-45年、第二次大戦のまっただ中、ドイツ軍による占領下にあったパリ。「暗黒の時代」と言われるこの頃、実はパリの女性たちはその苦境を逆手に取ってさまざまなおしゃれを編み出していたモードな時代でもあったのです。占領下で暖房も入らない、お店で買い物をするにも並ばなければ入れない、極寒のパリでこんな苦境を乗り越えるため、パリジェンヌの抜群のセンスと機転で生み出された防寒グッズ、数少ない娯楽だった映画や劇場へ行くためのおしゃれ着、政府のプロパガンダのために作られたスカーフやレジスタンスのシンボルともなったブローチなどなど。この時代だからこそ生まれたモードがガリエラ・モード博物館所蔵のコレクションと個人コレクションから集められた300点の展示で蘇ります。
パリのモードというとブランドものを想像しがちですが、今回の展覧会ではもちろんエルメスのスカーフなども登場していますが、ほとんどがまさに庶民のファッション。なかには手作り方法が掲載された雑誌とその完成品が展示されていたり、当時のブティックのスタンプカードがあったり。ところどころに設置されたビデオでは昔の映画ニュースが流れ、この時代のファッションをかいま見ることもできます。現代の流行にも通じるタイムレスなデザインの数々はどれも「欲しい!」と思わず唸ってしまうほどステキなアイテムばかり。


この美術館の名前にもなっている「ジャン・ムーラン」とは第二次大戦中のレジスタンス運動の指導者。そして双子のように隣接している(2階はつながっていて、パリ解放当時の映像を上映しています)「ルクレール・パリ解放記念館」のルクレールは大戦中パリ解放のきっかけとなったノルマンディ上陸作戦を指揮した軍人。ということで通常は第二次大戦のパリ解放に関する展示をおこなっている美術館。観光客にはほとんど知られていませんし、モンパルナス駅の真上にある公園(え!こんなところに? テニスコートもあるんです)にあって、とってもわかりにくいのですが、この展覧会は行く価値ありの充実度デス。

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