1963年アメリカ・コネチカット生まれの写真家・デビッド・ラシャペル。一度見たら忘れられない(夢にまで出そうな)強烈な作品で写真界にセンセーションを巻き起こしたアーティストです。
ノースキャロライナのアートスクールを卒業後、アンディ・ウォホールのインタビュー誌で働き始め、彼の写真は最初にこの雑誌で紹介されます。その後、ディティルズ、フレンチ・ヴォーグ、ザ・フェイス、ヴァニティー・フェア、コンデナスト・トラベラーといった一流誌で作品を発表してきました。
そして1992年、キース・リチャーズのアルバムジャケットを撮影した時にお決まりのポートレートに疑問を抱き、かつてモノクロ中心だった写真界に衝撃を与えるようなビビッドなカラーの作り込まれた写真を撮り始めます。一見コンピューター・グラフィックかのように見える複雑なイメージは、膨大な予算と時間をかけて実際に作り込まれた本物。果たして芸術か悪趣味か、美かグロテスクか、そんな紙一重のユニークな作品は見る人をとたんに引きずり込み、虜にしてしまいます。

今回のパリでの展覧会は、かつてない大規模な回顧展。未発表の最新シリーズ2作を含む約200点が展示されています。代表作でもあるマドンナやデビッド・ボウイ、ナオミ・キャンベルらセレブリティのポートレートから、旧聖書・創世記のノアの洪水にインスパイアされた“覚醒”、ミケランジェロの代表作にインスパイアされた“洪水”のふたつの最新シリーズも公開。写真アートにまた新たなアプローチを示した巨大な3D作品はド迫力。メイキングをおさめたビデオも上映されているので、これを見てから作品を見直すとまた新たな発見もあり、ラシャペル・ワールドにどっぷり浸かれます。
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